ピアの広場

2005年から書いている「 精神障害と共に生きていく」ブログです。

私の精神疾患について〜精神科入院編〜

10月も中旬。総理が変わっても特に生活が良くなるわけでもなく、GoToキャンペーンも私個人には関わり合いが薄いと感じる。カレンダーも今月を入れても3枚。来年こそはいい年にしたいと思う。

前書き

我が国で精神保健福祉が、本格的な制度として取り上げられるようになったのは、2000年を過ぎてからと感じている。それまでは「精神障害者の人権」を考えた制度自体が乏しかった。

今でも十分ではなく、多くの当事者、家族や、精神障害者に関わる仕事をしている人々が感じている事だと思う。不足は多いし、間違った方向になっていることも多々有る。が、無いよりはずっといいと思っている。

前回までの記事はこちら。

 

piano-hiroba.hatenablog.com

 

 

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初めての入院 

初めて入院したのは近所の個人病院だった。今は大手の傘下に入っている。

自分で入院治療を希望して入った。閉鎖病棟とはいえ、プライバシーというかパーソナルスペースが確保されていない病棟だった。病室も症状別になっておらず、「男女が別の階で収容されている」という表現が適切な環境だった。

ある晩、夜中にトイレにいって転倒した。頭を打って暫く意識が薄らいでしまった。
見回りの看護師が気が付いて騒ぎになった。「頭打っているみたい。どうしよう。検査が必要だよね。」そんなやりとりが聞こえていた。自分でも「迷惑をかけることになってしまった」と思っていた。

翌朝、何事も無かったかのように朝食がベッドに運ばれ、検査もして貰えなかった。
「この病院は駄目だ」と思って半ば強引に退院してしまった。手元には宛名のない「紹介状」が残った。

病院による違い

病院探しを再開、自宅から離れていないところに国立精神・神経センターがあることを知り、受診した。

私としては入院治療を希望していたのだが、外来(臨床部)の主治医が言うには、「一ヶ月程度は通院治療で様子を見る」と言う答えだった。当時は不満だったが今にして思えば当然のことだ。結局は2ヶ月の通院後、入院治療の必要性が認められた。名目は「休養入院」だった。

日常生活でのストレスが原因で、投薬治療だけでは不十分であり、休養をとりながら日常生活に戻れる精神力を養う。ということだった。

ここでは解放病棟で治療を受けた。他の病棟もあったが、ここでの入院は4回全てこの解放病棟だった。

私立病院では解放病棟は未だ少ないと思う。公立病院しかも、専門病院ならではのことなのだろう。

閉鎖病棟の場合は、基本外出は認められていない。敷地内の散歩にしても時間が決められており、出入りの際に、持ち物検査が行われる。

解放病棟の場合は、病院から通勤・通学している人もいる。決まった時間の間であれば、病棟から出る際に時間と名前を所定のノートに書きさえすれば、散歩に出ることも可能だ。

携帯電話に関しては、閉鎖病棟も解放病棟も病室への持ち込みはできないようになっている所がほとんどだ。

連絡は公衆電話からする場合が多いので、テレフォンカードを用意する必要がある。

もう入院はしたくはないが、その必要が生じたら国公立の病院を選びたいと思っている。

病院内での人権

私は閉鎖病棟へのトラウマがある。2015年に私立の精神科専門病院に入院した。そこは初めてではなかった。地元の主治医の紹介で3回ほど入院したことがあった。私立病院で3回とも閉鎖病棟だった。

寒い日の朝、事件は起こった。数日前まで「保護室」にいた患者が、いきなり殴りかかってきたのだ。近くにいた別の患者が止めてくれるまで「10数回の殴る蹴る」といった暴行を一方的に受けた。

全身に数カ所の打撲があり、倒れた際に痛めた右足は未だに痛みが出る。

防犯カメラも何も無い状態で看護師も見ていない。

警察を呼んだが「病院内のことだから刑事事件にはなりません」とのことだった。
世間知らずにもほどがあるとは思ったが、この時初めて「警官と刑事」の違いを知った。
刑事事件を操作するのが刑事。他は警官。警察は「民事不介入」なので警官は被害届も受理せずに帰っていった。

その後、弁護士を通して相手と話をしたいと病院に伝えた。病院の回答は「病院が何かを言う立場には無い。但し、民事となると病院側とも対立関係になるので、当院での治療続行は不可能なので退院してくれ」と言うものだった。

入院する前よりもひどい精神状態、入院前には無かった怪我をしたまま放り出された。

一方の加害者は「保護室」に戻されて引き続き治療がされると言う。

精神科の病院で起きたと言うだけで、被害者の人権は無くなってしまうのだ。

東京都の保健局にも連絡をしたが、何もしてもらえずに終わった。

この病院の態度に、紹介してくれた主治医に抗議すると「大変申し訳ありませんでした。ただ、うちに来ている他の患者さんもお世話になっている病院なので抗議はしましたが、それ以上のことは出来ません」と言われた。

主治医は親身になってくれる人柄で信頼もしている。この件だけで離れる事は考えなかった。これが日本の精神病院の闇の部分だ。

病院の繋がりというのは実は厄介で、過去に主治医に国立精神・神経センターへの紹介を求めたことがあったが断られたことがある。私立と公立の壁なんてものがあるのだろう。

まとめ

もし今後入院治療を考えておられる方がいたら、入院先の情報・口コミを知っておいた方がいい。

病院によっては精神科であることが判らない名前のところもある。
患者への配慮なのだろうが、今後必要なのだろうか?

精神的な病気は誰でも罹患する可能性がある。総合病院などでは精神科を標榜してないところもあるが、不思議で仕方がない。

患者だけではなく、そこで働く人だって精神的な機能不全を起こすことは容易に考えられるからだ。

「精神科を受診することは恥ずかしいこと・隠したいこと」残念ながら現在はまだその程度しか社会が精神疾患を身近な病気として理解していない。

家庭生活の中でも精神疾患は問題になる。育児放棄家庭内暴力なども精神的な手当(ケア)が進めば抑制できるかもしれないと感じている。

精神疾患は心の病気と言われている。残念ながら人体には「心」という臓器は存在し無い。胸のあたりのことでもない。

自分では制御出来ない脳内の事だと言うことを繰り返し伝えなければならないのだろう。

因みに、次回は私の普段の生活について書いて見ようと思う。