ピアの広場

2005年から書いている「 精神障害と共に生きていく」ブログです。

「東京圏に住む」3.

2020年も7月が終わろうとしている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による東京都の新規感染者が2020年7月23日は366人/日(過去最高)となった。一方、政府主導のの「GoToトラベル」キャンペーンも東京都を除外して実施されている。そして、この感染症騒動が無ければ「東京2020オリンピック」開催されているはずだった。


自分の身の周りの事へと視点を移すと、生活圏による格差や社会的弱者の事に行き当たる。1,400万人の人口を抱える巨大都市東京都と隣接県から成る「東京圏に住む」を考えた。

2020/08/06 10:52更新

前回までの「東京圏に住む」 

piano-hiroba.hatenablog.com

piano-hiroba.hatenablog.com

生活圏によって生じる障害

毎回記しているように、東京圏の人口密度は異常だと感じている。
インターネットで「移住 国内 支援」のキーワードで検索すると、ネイティブ.メディアというサイトが見つかる。

nativ.media
「東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県・大阪府」以外の42道府県で移住支援が用意されているのだ。

今後のテレワーク普及率次第では解決可能かもしれないが、「通勤だけで疲れてしまう様な状況」は生活に差し障りがあるのではないか。

もしそうならば、それは「生活圏によって生じる障害」だと言える。

ベッドタウンでは農業も商業も小規模・個人事業では厳しい状況にある。「職業選択の自由」に差し障りがあれば、それも「生活圏によって生じる障害」だと言えるのではないか。

社会的弱者

個人的には、この言葉が嫌いだ。だが、レッテルを貼る事で何かしら良い状況が生まれるのならば仕方の無い事だとも感じる。

社会的弱者 - Wikipedia

高齢者に関しては、生きていれば自然となってしまう。

障害者に関しては、事故・病気などでなる可能性がある。

経済的困窮については、災害や今回の様な新型感染症などによってなる可能性がある。

こう考えると、自分の抱える問題で生活に差し障りが生じる事態は、簡単に想像出来ると思う。「社会的弱者」という言葉で区別しただけでは解決策にはならない。

生活圏によって生じる障害が「社会的弱者」を作り出している事は無いのか。
事情があって、今の生活圏では働きに行けない経済的困窮者は居ないのだろうか。

経済的困窮状態を「生活保護受給世帯割合」を指標にして見ると、地域属性による違いが見えてくる。

uub.jp

大都市を抱える自治体はそれなりに高い率になっている事が分かる。

当初予想に反して、人口が多い東京都の受給世帯割合は低いとも言える。

大阪府の割合の高さには「社会保障制度を正規運用しているのか」という疑問が湧く。

但し、年齢別で高齢者(60~80歳)の受給率を見ると決して、低いとは言えなくなってくる。高齢者で経済的困窮状態という社会的弱者は多いのだ。

更には、全国的に見て完全失業率も増加の一途であり、今後も「過酷な就活」は就労可能な全世代で問題になってくると感じている。

www.stat.go.jp

勤務形態の変容

東京圏に限らず大都市圏ではラッシュに耐え、通勤しなくてはならなかった。
しかし、テレワークの急速な広がりで、今後は変容が生じると感じている。

富士通スパコン「富岳」を手がける企業)ではグループ企業を含めた国内従業員約8万人(製造拠点などは除く)について、テレワークを基本とすると発表。

pr.fujitsu.com

「社員に通勤を頑張らせる事は、本当に必要でしょうか?」というサイボーズ社のキャッチフレーズも印象的だ。

ganbaruna-nippon.cybozu.co.jp

社会保障制度の見直し

医療・福祉の現場、生活必需品生産拠点関係者の待遇は問題が多いと感じている。

病院や施設、工場への通勤・出社が必須の方々の待遇(労働対価)については、重要な課題だと感じている。

例えば、医療従事者の離職率が急激に上昇すれば「医療崩壊」は簡単に起きてしまう。

国民の生命・安全を守る人々に対しては、一時的な金銭補填では無く「医療費減免」「老齢年金の満額受給資格年齢の引き下げ」といった優遇措置を国・自治体・民間が協力し、保障する抜本的な制度の拡充が必要だと感じている。

政府と自治体の思惑

冒頭にも記したように、政府は2020年7月22日から経済活動再開の「GoToトラベルキャンペーン」を東京都を除外して実施。「ワーケーション」などと言う珍妙な造語を生み出して観光地へ行けと促す。

国民の生命・財産を考えた経済活動の再会は必要だが、現時点では危険な見切り発車だと感じている。

一方、新規感染者が増大する東京都知事は「不要不急の外出は避けてほしい」と記者会見で述べる。

経済を立て直す事に関して全く異論はないが、古典的用法によれば「経済=経世済民」なのだが。

経世済民 - Wikipedia

東京2020オリンピックの問題

2021年に延期された「東京2020オリンピック」の中止を検討する事に関して。

新型コロナウイルス感染症の最初の感染者を出したとされる中国の北京で、半年後に冬期オリンピックが開催出来たとすると、現時点で東京2020オリンピックを中止にすれば現政権が揺らぐ」と考える議員がいるという。

世界中が新型コロナウイルス感染症と戦っている中で「人々の安寧」と「自分の座る椅子」を天秤にかけている様に感じる。

国家プロジェクトでもある「平和の祭典」オリンピックが開催できない状態は、日本の経済にとって深刻な問題である事は間違いない。

ならば、「世界が納得する形」の解決策を提示・交渉するといった、政治的な努力をするべきだと感じている。

まとめと次回予告

書き始めた頃は「テレワーク」がここまで急速な広がりをするとは思っていなかった。

だが、社会の意識が変化してきている事は間違いない。

ベッドタウン問題も「バブル経済崩壊後」の人口移動は郊外への移住だけでは無い。

しかし東京圏への人口一極集中状態が続いているも事実だ。

政治・経済については、法整備を担う国会と基礎自治体の役割が伴わないと解決できないと感じている。

東京圏に住む事が悪いと決めつけるつもりは無い。

公共交通機関の便利さ、深夜でも買い物に行ける便利さ等メリットがあるのは事実である。但し、生活様式が多様化する状況下ではデメリットも感じている。

次回は締め括りとして、住む場所についての理想論を「生き甲斐」の視点から書かせて戴こうと思う。